ハンガリーの写真家、アンドレ・ケルテスの写真集『ON READING』の日本語版、『読む時間』です。1915年から1970年にかけて、世界各地で、人々が読む姿を捉えたモノクロームの写真集です。
巻頭には、谷川俊太郎さんが書き下ろした詩、「読むこと」がよせられています。
なんて不思議・・・あなたは思わず微笑みます
違う文字が違う言葉が違う声が違う意味でさえ
私たちの魂で同じひとつの生きる力になっていく
しばらく目を木々の緑に遊ばせて
あなたはふたたび次のページへと旅立ちます
この時、心が奪われたこの瞬間を、とらえた一枚。1968年に京都や東京で撮影された写真も数点収録されています。
人々がどんな場所でも、どんな状況でも、読むことに没頭し、書物が持つその世界に飛び込むことができる、そんな姿を捉えています。
時代が変わっても、人が読む姿というのは、何とも愛おしく、魅了される姿です。
大切な方への贈り物にもおススメの一冊です。