1962年に月刊絵本「こどものとも」7月号として刊行され、読み継がれてきた『かわ』を絵巻じたてにしたえほん。
ケースから取り出すと、鮮やかなブルーの装丁が目を引きます。源流から海までの川の旅が、約7メートルに渡って、蛇腹折で表現された美しい一冊。
おもて面は、カラー印刷で、文字が一切ありません。川の流れとともに、周囲の自然環境や人と自然との関わりなど、細部に渡って丁寧に描かれた景色が広がります。
うら面は、黒色と水色の2色で印刷され、川の流れの変化がきわだつように、表現されています。雪どけの水が、山にふった雨が、水となり、川となり、流れていく。
最終場面に4ページにわたって描かれた真っ青な海の姿は、「絵巻じたて」で追加されたページ。長い川旅のさいごに、広大な海がひろがります。
かこさとしさんが描いた「かわ」が、54年ぶりに、絵巻じたてとして生まれ変わった壮大な絵本。ぜひ、手に取っていただきたい一冊です。