1976年に出版されたロングセラーの絵本『あいうえおの本』。安野光雅さんが描く美しいひらがなに出逢う絵本です。
中表紙に描かれているのは、美しいの木製の「墨つぼ」。今でも、建築現場などで使われている大工道具ですが、天然素材で作られた昔の道具の美しさには心惹かれるものがあります。
ページの左側には、木目まで丁寧に描かれた木組みの「ひらがな」、
右側には、その文字に関連した緻密な絵が描かれています。「あ」のページには、「あんぱん」と「あり」。背景に描かれた絵のなかには、さらに、文字に関連する絵が隠れています。「ありくい」や「あゆ」、「あひる」など、安野光雅さんらしい遊び心のあるしかけも魅力。
「い」のページには、「いえ」と「いど」、よく見ると「いぬ」と「いぬごや」も。
「む」のページには、「むしかご」と「むぎわらとんぼ」。
美しい日本の文字と共に、日本の伝統的な形が結びつけられている絵本。
なかには懐かしく思える絵もあり、世代を超えて、大人から子どもまで楽しむことができる一冊です。