1977年にアメリカで出版されたエド・エンバリーの絵本、「THE WIZARD OF OP」の日本語訳版、『まほうつかいのウーのふしぎなえ』が届きました。
オプアート〈錯視〉をつかった不思議な絵本、じーっと見ていると、見えない線や色が浮かび上がってくる不思議な世界のはじまりです。
ある国の王子が、魔女に魔法をかけられて、カエルの姿になってしまいました。カエルの王子は、元の姿にもどしてもらおうと、魔法使いのウーに相談します。ウーは、いろいろな魔法(錯視)を使って、王子にかけられた魔法を解こうとするのですが・・
オプアート〈錯視〉という技法を取り入れ、細密な線で描かれたモノクロの絵のなかに作りだされる影、色、光。
漫画のストーリーを読むようなコマ割りで構成されていて、子どもも大人も、エド・エンバリーの世界に引き込まれていきます。
エド・エンバリーと言えば、動物や乗り物などのカラフルな色彩の絵本を多く作られていますが、この本は、すべてモノクロで描かれている貴重な一冊。
40年以上の時を経て出版された日本語版のブックデザインは、札幌のデザイナー岡田善敬さんが手掛けられています。原書の想いを引き継ぎ、日本語版も奥付やクレジットにいたるまで、すべて手書き文字で綴られています。
子どもから大人まで楽しめるオプアート〈錯視〉をつかった不思議な絵本、お部屋に飾っておきたくなるような美しい一冊です。