北海道出身の詩人、中原中也賞を18歳で最年少受賞した文月悠光さんの第3詩集、『わたしたちの猫』です。恋にまつわる26篇の物語が綴られています。
印象的な色彩を放つブックデザインは、名久井直子さんが手掛けられています。手にしたときのざらっとした質感の手触りも魅力。
ピンク色の紙に綴られた恋の詩。
本書には、帯文にもなっている雨宮まみさんの書き下ろしエッセイが「特製しおり」として付いています。
”最も強い輪郭を描く「恋」の軌道を、やわらかに、霧にけぶるように、文月さんは描き出している。”
鮮やかな表紙に、見返しは深いブルー、本文は淡いピンクの紙が使用され、美しい装丁も魅力。
詩に込められた心情を味わい、時には自身の記憶と照らして読み進めていく。じっくりと味わいたい、恋愛観に触れる一冊です。