1949年にドイツで出版されたケストナーの名作絵本の現代版、『どうぶつ会議』です。挿絵は、『エーミールと探偵たち』や『飛ぶ教室』などでタッグを組んだ、挿絵画家のトリア―が手掛けられています。
「しようがない人間どもだ!」ある日、どうぶつたちは、人間たちの会議がなんの役にも立たないことに、戦争をやめない人間たちに腹をたて、相談を始めます。
ゾウのオスカーは、世界中に住んでいる様々などうぶたちに、長距離電話をしました。「一ヵ月後のきょう、動物会館で、会議をひらくことにする。」
動物会議の会場は、この大きなビル。世界中から、飛行機や汽船、クジラや汽車、空とぶじゅうたんなどで、どうぶつたちがやってきます。
人間たちが開催する87回目の会議と同じ日に、最初にして最後の動物会議が開催されます。そのテーマは、「子どものために」。
しかしながら、動物たちの要求は、政治家たちにはねつけられてしまいます。それでも、動物たちは諦めず、最後の手段に出ます。すべては、「子どもたちのために」。
戦争をやめない人間たちへの批判もユーモラスな表現で描かれ、思わずクスっと笑ってしまうケストナーの世界。ケストナーの未来を担う子どもたちへの想いが込められた物語です
出版から70年以上経った今も世界中で読み継がれている名作絵本。少し長いお話ですが、すべてに”ルビ(ふりがな)”がついていますので、大人から子どもまで楽しむことができます。贈り物にもおススメです。