山音文学会既刊の赤木三兵著、昭和47年に出版された初版本、アイヌ語対和語の『アイヌ語小辞典』です。
こちらの辞典には、約3100語のアイヌ語が収録されています。著者の赤木さんは、「学術的なものではなく多くの人たちにアイヌ語に親しんでもうらために編さんしたものである」と語られています。
辞典を引き、言葉に出会い、その歴史に思いを馳せる面白さも、この辞典の魅力。
本書の裏表紙には、こう綴られています。「アイヌ語は決して亡びていない。日本列島には隅なくアイヌ語の古い地名が遍在し、和人の日用語の中にも古語のアイヌ語が知らず知らずに使用されている。このアイヌ語小辞典は日本人の言葉のふるさとを探るとき大きく役立つであろう。」
今使われている日本語の中にも、古語のアイヌ語が使用されており、北海道の市町村名の8割は、アイヌ語に由来すると言われています。「札幌」もその一つ。著者の赤木さんが望まれたように、まさに、アイヌ語に親しむための一冊です。