熊研究の第一人者が熊に関する百訓を書いた『熊百訓』。昭和38年に初版が出版された本です。
概説は「身元調査」から始まり、北海道開拓における熊との関係や熊の出没した場所などが解説されています。本書によると、「金太郎と相撲をとったのは内地の熊である。」
「人間の防護の要則」によると、「熊が世の中で最もおそれているのは人間である」。熊にばったり会ったときは、熊に逃げる機会を与えると良いらしい。
「熊に出会ったときは死んだふりをしろ」、というのはよく聞く話。本書によると、死んだふりをして助かった人の話もあるが、「実はこの人間は熊に抵抗もせず危害を加えないということを熊が知ったからであろう。」と書かれています。
熊の研究者が、「北海道の熊さん」について解説した『熊百訓』。思わずクスっと笑ってしまう手書きの挿絵も魅力。「へー、そうだったのか!」と思わず口に出てしまうほど、熊の魅力に引き込まれる一冊です。