山音文学会既刊の赤木三兵著、昭和46年に出版された初版本、アイヌ語地名解の『北海道 地名の旅』です。
本書は、昭和40年に朝日新聞に連載されていた「地名の旅」を基に、さらに加えて編纂され、約1200ものアイヌが名付けた北海道の地名が収録されています。
アイヌが名付けた地名は、時の流れとともに、意訳、音訳、転化など、様々な変化を遂げて、今に至ります。地名それぞれの由来が簡潔に記されています。
著者である赤木三兵氏は、本書にこう記している。「今後も激動する過疎化、過密化に伴い町名部落名の改廃が激しくなる傾向にあり、それに伴って古い地名の由来などが逐次消滅してゆくであろうから、歴史の一端を物語る人々の心のふるさととしての地名の記録は貴重な資料として本書の価値も年を遂うて高まることと信じている。」
北海道の市町村名の8割は、アイヌ語に由来すると言われています。当店のある「札幌」もその一つ。先人とその歴史に思いを馳せながら北海道を楽しめる一冊です。
同時期に出版された北海道地名解、全北海道の郵便局が収録されている『北海道 局名の旅』もお取り扱いしております。ぜひ、合わせてご覧ください。